認知症の高齢者がトイレの場所がわからなくなる時の原因と対応策

フクシ

✅介護歴15年以上の現役生活相談員
✅資格はケアマネジャーと介護福祉士を所持
✅累計1,000組以上の介護でお困りのご家族からのご相談を受けています
✅地域の方に向けた介護についての講演会をした経験があります

 

ご家族

母さんにトイレの場所何度も説明してるのに全然覚えてくれない…

なんで?

 

フクシ

こんにちは。

フクシ(@ryusukefukushi)です。

今回は認知症になった方の症状の事例と、

その対応方法をまとめてましたのでご覧ください。

実際行った私の経験談もあります

 

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事例「排泄④ トイレの場所がわからない時」

 

認知症の症状が進行するとトイレがどこにあるのかがわからず、部屋や廊下の隅っこで排泄をすることがあります。

 

トイレの場所がわからなくなる原因

 

原因としては、

 

 

  • 認知症の症状の進行によって、今いる場所がどこでなぜ自分がここにいるのかわからない(「見当識障害」と言います)
  • 普段生活している場所(リビング、寝室など)からトイレまでの導線が複雑(その方にとって)でわからない

 

 

などが挙げられます。

 

見当識障害とは

 

「見当識障害」とは、認知症の症状のひとつで「今がいつなのか」、「ここがどこなのか」がわからなくなる状態を言います。(「失見当識」とも言います)

 

導線が複雑だとわからなくなる

 

ご本人が普段過ごしている場所からトイレまでの道筋、つまり導線が、

 

 

  • 何度も曲がる(3回以上)
  • 近くに似たようなドアがある
  • 引っ越したばかり

 

 

などがあると、

「あれ?右だったかな?左だったかな?」

「こっちの扉?あっちの扉?」

「前は右にあったのに今度はどこにあるの?」

などの理由で混乱してしまいトイレの場所がわからなくなってしまいます。

 

実際経験した話し

 

ちなみに私が働いている施設でもご利用者が、

「あれ?右(左)だったわよね?」

「わからないなぁ」

など仰ってその都度ご説明しますが、覚えきれず何度か廊下の隅っこでおしっこをされる方がいらっしゃいました。

 

NGな対応

 

では実際、

認知症になったご家族がトイレの場所がわからず失禁をした時のやってはいけないNGな対応ですが、

 

 

  • 「何度も教えてるでしょ」
  • 「また迷ってるの?」

 

 

というような対応をすることです。

 

なぜこの対応がいけないのか

 

良くないのは相手を忘れた時の対応と同じように、否定的な対応をしてしまうことです。

 

認知症は脳が萎縮し、症状が進行しても自尊心や感情は残っていたりします。

 

そこで否定的な対応を取ると相手に過度なストレスを与えてしまい、認知症が進行してしまう可能性があります。

 

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ご家族

何度も説明してるんだけどなぁ…

それでまた失禁されてもいやだし、

なんか対策あるの?

 

OKな対応

 

フクシ

主な対応方法ですが次の通りになります!

私が働いている介護施設でも、同じ対応をしていますよ!

これで失禁を減らすことができます

 

では逆にどのような対応をするとOKなのかと言いますと、

 

 

  • 排泄の時間帯を把握する
    →朝何時に排泄しているか。食後何時間で排泄しているか。など
  • 普段生活している場所からトイレまでの道順に「かわや」、「便所」、「お手洗い」、「はばかり」などご本人が普段言っていた表現方法で印をつけておく
    →(例)「トイレ➡️」など
  • トイレの入口にトイレマーク🚻を貼るなどして視覚でわかるようにする
  • トイレと認識しやすいようにトイレ付近の廊下の照明を明るくする

 

 

などが挙げられます。

 

なぜこの対応がふさわしいのか

 

やはり大事なのはトイレ以外で放尿する時の対応と同じように、ご本人の排泄の時間帯を把握することです。

 

排泄の時間帯を把握していると、その時間に合わせてトイレに誘導することができるからです。

 

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視覚でトイレがわかるように

 

また、普段生活している場所からトイレまでの道順にご本人の表現方法で目印になるものを貼るのも良いです。

 

例えばあなたが大きいスーパーや百貨店など商業施設でトイレに行きたくなると、天井に吊るしてあるトイレのマーク🚻や標識を探しませんか?

 

それと同じように家でもトイレまでの道筋を視覚でわかるようにするのも良いでしょう。

 

実際うちの施設ではトイレの入口にマーク🚻を貼っています。

 

ご家族間で検討してみてください。

 

認知症の対応も大事ですが

 

認知症は病気のひとつです。

 

毎回同じ対応をするのは正直ストレスがたまるかもしれませんが、認知症になったご本人も混乱しています。

 

大事なのは相手にストレスや負担を最小限にすることです。

 

ですが、やはり私は介護をする方のストレスや負担も最小限にして欲しいと思います。

 

フクシ

認知症の方の対応で疲れた方はあまりためこまず、

ご家族や地域包括支援センターやケアマネジャーなどに相談してひとりで抱え込まないでくださいね

 

また、介護保険の申請から老人ホーム入居まで負担をかけたくない方はコチラもご覧ください。

 

まとめ

 

 

  • 認知症の症状でトイレの場所がわからず、部屋や廊下の隅っこで排泄をすることがある
  • 「何度も教えてるでしょ」など相手に怒ったり否定するのはなるべく控える
  • 事前に排泄する時間帯を把握し、その時間に合わせてトイレ誘導をする
  • 普段生活している場所からトイレまでの道順に「かわや」、「便所」、「お手洗い」などご本人が普段言っていた表現方法で目印をつける
  • トイレの入口に🚻マークを貼って視覚でも訴えかけてみる
  • 介護をするご家族は認知症の方の対応でストレスがたまりやすいので他のご家族や機関に相談してひとりで抱え込まないでください

 

 

となります。

 

介護はやはりストレスがたまりますよね。

 

私は介護の仕事を10数年していますが今でも精神的に疲れる時がたくさんあります。

 

なので自分を犠牲にしないで無理せず対応してくださいね。

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