父さん桜キレイねぇ。
…って全然反応しないわねぇ…
最近表情もないし大丈夫?
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事例「意欲② 無表情で反応がない時」
認知症の症状が進行すると、表情がなくなり反応がなくなることがあります。
無表情で反応がなくなる原因
では、無表情で反応がなくなる原因ですが、
- 「感情の平板化」や「老人性うつ」
- 「アパシー」になった
などが挙げられます。
感情の平板化(へいばんか)と、老人性うつ
まずは以前、部屋に引きこもる時でもお話ししたような、脳の神経細胞が減少するによって「感情の平板化(へいばんか)」という、喜怒哀楽の感情の変化が少なくなり他人の感情に共感しなくなる状態になられることや、「老人性うつ」が挙げられます。
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「感情の平板化」とは
- 以前、好物だったものを食べても喜ばなくなった
- 親族や親しい方の訃報にも悲しまなくなった
など、何があっても感情に変化がなくなってきてしまうことです。
そこから無表情になり、反応がなくなっていきます。
「老人性うつ」とは
配偶者や親族、身近な方など大切な方の訃報などで喪失感や今後への不安から、
「自分はこれからどうしたら良いんだろう」
となり、そこから「老人性うつ」を発症することがあります。
「アパシー」になる
その他にも「アパシー」という、周りで起きていることに対して全く無関心、無反応になる症状になり、外出して桜を見ても関心が湧かないし、身だしなみや食事にも興味や反応がない状態になることがあります。
感情の平板化や老人性うつ、アパシーのそれぞれの違い
ここで「感情の平板化」や「老人性うつ」、「アパシー」などさまざまな症状が出ましたがそれぞれの違いは、
「感情の平板化」と「アパシー」の違い
- 感情の平板化:感情が出にくい
- アパシー:感情が全く出ない
「老人性うつ」と「アパシー」の違い
- 老人性うつ:悲観的になり、自分が「うつ状態」である。という自覚症状がある
- アパシー:感情の波が全くなく、常に一定で自分が「アパシー」である。という自覚症状は全くない
という違いがあります。
全く何も感情がない「アパシー」は入浴や着替え、食事など生活環境にも無関心なので周りにも悪影響が起きます。(入浴せず臭い、汚いなど)
実際経験した話し
ちなみに私が働いている施設でもご利用者が無表情になり反応がない方がたまにいらっしゃいます。
その度に後述するOKな対応をしています。
NGな対応
では実際、認知症になったご家族が無表情で反応がない時にやってはいけないNGな対応ですが、
- 「少しは反応しなさいよ」と否定的な対応をする
- 無理矢理反応させようとする
というような対応をすることです。
なぜこの対応がいけないのか
原因でも挙げたようにさまざまな理由で無表情で反応がなくなりますが、良くないのは相手を忘れた時の対応と同じように、否定的な対応をしてしまうことです。
認知症は脳が萎縮し、症状が進行しても自尊心や感情は残っていたりします。
そこで否定的な対応をすると相手に過度なストレスを与えてしまい、認知症が進行してしまう可能性があるんです。
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無理矢理もNG
また、「無表情だから」、「反応がないから」という理由で、無理矢理表情を作ろうと顔を触ったり、反応を作ろうさせる行為もNGです。
無理矢理対応して喜怒哀楽を作ろうとしても、
「嫌なことをされた」
という感情しか残らず、認知症の症状が進行する可能性があるからです。
でも、反応がないと何したら良いのかわからないのよねぇ…
なんか良い方法あるのかしらね…
OKな対応
主な対応方法ですが次の通りになります。
なるべく規則正しい生活を送れるよう、お手伝いしてください
では逆にどのような対応をするとOKなのかと言いますと、
- 病院に受診して治療を受ける
- 規則正しい生活環境を整える
- たまに外出を試みる
- やりがいを探す
- ご本人が好きな音楽をかけたりテレビ番組を流す
となります。
なぜこの対応がふさわしいのか
まずは病院の精神科や心療内科へ受診し、適切な治療を受けることが大切です。
先程でもお話ししたように、無表情や反応がないのが「感情の平板化」か「老人性うつ」か「アパシー」かを見極める必要があります。
それによって治療をすると改善することがあります。
規則正しい生活環境を作る
認知症の症状が進行すると、朝起きてご飯を食べる、歯を磨く、服に着替える、お風呂に入る、パジャマに着替えて寝る。
など規則正しく生活しようという意欲がなくなっていくため、さまざまなことに頓着がなくなっていきます。
ご本人がこれからも健康に元気に生活できるよう、生活環境を整えるためのお手伝いをしてあげてください。
たまに外出を試みる
あとご本人の体調にもよりますが家にずっとこもってしまうと、精神的に落ち込んでいきます。
うつや認知症の症状が進行しにくくなるよう、近所でも構いませんのでたまに外出を試みてください。
やりがいを探す
また、可能であれば新たにやりがいを見つけるのも良いです。
散歩やテレビ鑑賞など、無理強いしない程度にお誘いしてみてください。
いつもと気分を変えることは良いと思います。
好きな音楽やテレビ番組を
他にもご本人が好きな音楽やテレビ番組などを流すのも良いでしょう。
ご本人が好きなものを見たり、聞こえたりと五感で伝えるとそちらに興味を持ち、意欲が湧くこともあります。
認知症の対応も大事ですが
認知症は病気のひとつです。
毎回同じ対応をするのは正直ストレスがたまるかもしれませんが、認知症になったご本人も混乱しています。
大事なのはご本人のストレスや負担を最小限にすることです。
ですが、やはり私は介護をする方のストレスや負担も最小限にして欲しいと思います。
認知症の方の対応で疲れた方はあまりためこまず、
ご家族や地域包括支援センターやケアマネジャーなどに相談してひとりで抱え込まないでくださいね
また、介護保険の申請から老人ホーム入居まで負担をかけたくない方はコチラもご覧ください。
まとめ
ココがポイント
- 認知症の症状の進行にともない部屋に引きこもることがある
- 否定的な対応や無理矢理反応させることは控える
- 病院に受診して何の病気か把握し、適切な治療を受ける
- 規則正しい生活環境を整える
- たまに外出を試みる
- やりがいを探す
- ご本人の好きな音楽やテレビ番組を流す
- 介護をするご家族は認知症の方の対応でストレスがたまりやすいので他のご家族や機関に相談してひとりで抱え込まないでください
となります。
介護はやはりストレスがたまりますよね。
私は介護の仕事を10数年していますが今でも精神的に疲れる時がたくさんあります。
なので自分を犠牲にしないで無理せず対応してくださいね。
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